記憶

二人の記憶には前世のことなど残っていない。

しかし、みのるの感覚のなかには、姫につかえた日々のことが残っているのであった。

それが、ちほのことがきになる理由だった。

出会い

ちほはみのるが毎日同じ電車に乗っていることは知っていたがそれ以上の感情はなかった。
みのるはちほのことが気になっていたが恋心とは少し違う感じだった。
なぜ、こんなに気になるのだろうか?それが気になるというのが正解だ。

出会い

それからは、ちほもみのるのことを意識するようになる。
いつもの電車に乗っているかどうか気になるようになった。
そして、そこに乗り合わせているとほっとする。
ちほにとっても勉強ばかりの学校生活だけではない青春と呼べるような出会いが訪れた。

こんなに歳の差があるのに何かを感じるのは、前世で出会っていたのかも知れない。

出会い

そんな、みのるは毎日同じ車両に乗るちほが気になる存在でした。
ちほもいつも自分を見つめているみのるのことが気になっていた。
そんな二人がふとしたことで会話をすることになる。
電車が急ブレーキをかけて止まった。
そのときちほは、みのるにぶつかったのだ。
ちほの『すみません』
みのるの『大丈夫?』
この一言が二人の距離を縮めた。

プロローグ

ちほは高校3年生、受験生だ。
A県にあるN大学を受験する予定だ。
将来は外交官になりたいと思っている。
世界を駆け巡る才女だ。

プロローグ

みのるは46才のバツイチだ。
奥さんとはうまが合わずに家庭内別居の末に別れた。
子供が二人いる。
みのるは養育費を払うために小説を書いて、自分で手売りしている駆け出しの小説家だ。

子供に会える日を夢見て、日々を送っていた。
人生には、いろいろなことが起こる。

子供のことを思うと、みのるは励まされる。

いつもの

電車に乗っていると不思議と同じ人が乗っていることに気付く。
当たり前と言えばそれまでだ。
通勤や通学で使う人が乗っているとそうなるのもわかる。
そして、いつもの人とすれ違い、そうやって一日が過ぎるのだ。

いつもの

みのるはいつも、決まって6時50分の電車に乗る。
車輌は決まって一両目だ。
特に理由はない。

階段を上がったホームに出たところに停まるドアがそこにあるからだ。

みのるは自宅から1時間かけて通勤している。

この通勤ルートになって半年くらいになるだろう。
以前はN市内で地下鉄だった。

今は在来線で地元に通勤しているのだ。

以前は住み慣れた街だか今は、ちょっと田舎だと感じている。

住み慣れた街も良いが…
今さら、帰るのもないかなと…。

出会い

出会いは、突然に訪れるものだ。
一日に何十人、何百人、何千人とすれ違い、そして、そのほとんどが意識されずに終わっていく。
人と人は、運命的に出会っているのだと気づいたときには、その出会いの意味を知るのだ。

人生のチャンスも同じように訪れる。

そんな中で『みのる』は『ちほ』と知り合った。
それは、偶然に訪れた。

出逢い

みなみは、改札前にいた。何かをするわけでもなく、誰かを待つわけでもなく。ただ、そこに訳もなく立っていた。
そこに、偶然居合わせたのが、佐織だった。
佐織は、大阪から静岡の幼馴染みに会いに来たのだ。夜行バスで静岡に向かう。時間があるので名古屋城を見に行く。

佐織はみなみに声をかける。

「名古屋城ってここからどう行けばよいですか?」

みなみは、こんな時間に一人で行く佐織に忠告する。

「こんな時間に名古屋城に行くのはやめたほうがいいですよ。」

ライトアップされているとは思うが辺りは暗い。
女の子が一人で行く時間ではない。

みなみは、こんな提案をする。

わたしが一緒に行きますよ。
みなみもなぜそんなことを言ったのか不思議でした。

とにかく、二人は地下鉄に乗り現地に行くことになる。

佐織は、カメラを出すと夜の名古屋城を撮り始めた。
みなみもスマホで撮っていた。